JP1/AJS移行の概要 ユーザー情報移行の注意点

JP1/AJSのユーザー情報は、JP1/Baseの認証機能で管理されています。

JP1/Baseに登録されたJP1ユーザー情報の移行についてはいくつか注意点があります。

 

■基本的な手順

以前のエントリでも書いた内容になりますが、改めて。

ユーザー情報の基本的な手順下記の通りです。

1. 移行元でユーザマッピング定義を取得
 jbsgetumap > ユーザマッピング定義ファイル

2. ユーザマッピング定義ファイルを移行先へコピー
 

3. パスワード定義ファイルを作成
ユーザーマッピングで利用するOSユーザーとパスワードを以下の形式で設定

 OSユーザー名1:パスワード

4. 移行先で[パスワード管理]にOSユーザーを一括登録
 jbsmkpass -f パスワード定義ファイル

5. 移行先でユーザーマッピングを設定
 jbsmkumap -f ユーザマッピング定義ファイル

6. セキュリティ関連定義を移行元から取得し、移行先へ上書き
・インストール先\JP1Base\conf\user_acl\JP1_Passwd
・インストール先\JP1Base\conf\user_acl\JP1_UserLevel

7. 移行先で設定を反映する
 ・JP1/Baseのサービス再起動

 ・または jbs_spmd_reload コマンドを実行

 

 

■注意べきポイント

①ユーザマッピング定義ファイルについて
・移行元と移行先で異なるOSユーザーを割り当てる場合は編集が必要
・「サーバホスト名」が*でない場合は移行先のホスト名に変更する必要

 

②jpsmkpassコマンドについて
・事前にOSにユーザが登録されている必要あり

・パスワードがセキュリティポリシーのパスワード要件を満たしている事

・ドメインユーザを指定する場合は、ドメイン情報にアクセス出来る状態である事

 

③セキュリティ関連定義について
JP1_Passwdのパスワード保管形式について、いつ導入された機能か詳細確認中ですが(バージョン12?)、JP1ユーザーのパスワードを保存する際のハッシュレベルが指定出来るようになりました。

3.4.6 パスワード保管形式の設定

 

http://itdoc.hitachi.co.jp/manuals/3021/30213D6500/BASE0085.HTM

 
 

マニュアル記載を見た感じだと、v12インストール時はレベル2、v11-50以前だと1になるようです。

そのため、v12の環境に古い定義ファイルを移行してくると、環境定義と定義ファイルのデータ形式が不整合となり、JP1ユーザーでのログインに失敗します。(認証サーバが閉塞する)

 

ハッシュレベルを以前同様の値(=1)に合わせる事で、移行元環境の定義ファイルでもログイン出来るようになります。

 

1.プライマリー認証サーバに,次の内容の定義ファイルを作成する。

[JP1_DEFAULT\JP1BASE\]
“HASH_LEVEL”=dword:00000001

2.jbssetcnfコマンドを実行する。

 

 

しばらくはJP1移行関連の日記になると思います。

 

JP1/AJS移行の概要 (ホスト名とIPアドレスの変更)

現在JP1のジョブネット環境移行の準備中です。

 

移行の条件として「移行元のホスト名・IPアドレスを引き継ぐ」事が挙げられているのですが、

当然構築時点で引き継いでしまうと稼働中の移行元と値が重複してしまいます。

 

といった理由から、仮のホスト名・IPアドレスで構築及びテストを実施し、

本番切替時に値を変更する方法を調査しています。

 

 

■見るべき資料

JP1 Version 10 JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド

 

http://itdoc.hitachi.co.jp/manuals/3021/3021310710/INDEX.HTM
「8.9.1 JP1/AJS3が動作しているホストの名称を変更する」
「8.9.2 JP1/AJS3が動作しているホストのIPアドレスを変更する」

 

 

 

■事前準備
・ホスト名変更前にリモートジョブネットの実行登録を解除
・イベントジョブを実行しているエージェントホストのJP1/AJS3をすべて停止
・既存の設定を控える(ajsembdbstatus)

 

 

■手順
前処理

1.AJS-Viewからログオフ
2.ジョブネットの定義をバックアップ(ajsprint)
3.実行エージェントの定義をバックアップ(ajsagtprint)
4.JP1/AJS3関連サービスを停止
5.QUEUE/サブミットジョブ実行環境の定義をバックアップ(jpqexport)

※QUEUE/サブミットジョブを使用している場合のみ
6.JP1/Base関連サービスを停止

ホスト名とIPアドレスの変更
マネージャーホストのIPアドレスとホスト名を変更する。

ジョブ実行環境回復
QUEUE/サブミットジョブ実行環境を再作成(jpqimport)
※QUEUE/サブミットジョブを使用している場合のみ

 

組み込みDBの再構築
1.組み込みDB環境のデータを削除(ajsembdbunset)
2.組み込みDBの構築(ajsembdbbuild)
3.組み込みDBのセットアップ(ajsembdbsetup)
4.組み込みDBを停止

環境起動

1.JP1/Base関連サービスを起動
2.JP1/AJS3サービスを起動
3.エージェントホストをコールドスタート(jpoagoec)
4.マネージャーホストをコールドスタートする。

定義回復
1.ジョブネット定義を回復(ajsdefine)
2.実行エージェント定義を回復(ajsagtadd)
 

 

 

JP1/Baseについての記述が出てきますが、最小限触れる程度に留めています。

Baseに関しては用途が多岐に渡る為個別に記事を作成しようと思います。

 

 

各タイミングで実行するコマンドの引数等は環境ごとに様々だと思いますので、

コマンドリファレンスを参照下さい。

JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス

http://itdoc.hitachi.co.jp/manuals/3021/30213D2810/INDEX.HTM

 

 

JP1/AJS3 環境移行のポイント

JP1/AJS3の環境を移行するに当たってのポイントについて調査している内容をまとめます。

 

■見るべき資料

JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド
http://itdoc.hitachi.co.jp/manuals/3021/3021310720/INDEX.HTM

 2. バックアップとリカバリー

 4. ジョブネットの退避・回復

JP1 Version 10 JP1/Base 運用ガイド
 3.5 バックアップとリカバリー
 8. ユーザー管理の設定http://itdoc.hitachi.co.jp/manuals/3021/3021300120/INDEX.HTM

 

■概要

基本的には「移行元でバックアップ→移行先でリカバリ」の流れになる模様。

その為、移行先では「OS構築→JP1/Baseインストール→JP1/AJS3インストール」を事前に済ませておく。

統合インストーラにはBaseとAJSが同梱される場合があるが、インストール順序を守る必要があるので、Baseのみインストールしてから、AJSをインストールする。

セットアップ内容については環境毎、設計内容で様々なので割愛。

 

 

■実施する作業

移行の為に実施する作業は以下の通り(※調査中の為これが全てかは分からない)

  • ユーザーマッピング定義
  • 認証サーバのJP1ユーザー定義
  • エージェント定義
  • ジョブユニット定義
  • 共通定義情報
共通定義情報は、移行元先で環境が異なる部分に留意する必要がある。
 
 

■各種定義の移行

①JP1/Baseユーザーマッピング関係の定義の移行
なお、OSユーザーのパスワードは個別に設定が必要です。
1. 移行元で定義を取得

jbsgetumap > jbsUmap.txt(任意名称でよい)

 

2. jbsUmap.txtを移行先へコピー
移行元と移行先で異なるOSユーザーを割り当てる場合は編集が必要
「サーバホスト名」にマネージャホスト名を定義している場合は移行先のホスト名に変更する、または「*」指定に変更する

3. 移行先でパスワード定義ファイルを作成
ユーザーマッピングで利用するOSユーザーとパスワードを以下の形式で設定

(ファイル名は任意。ここではjbsPass.txt)

OSユーザー名1:パスワード

  :

4. 移行先で[パスワード管理]にOSユーザーを一括登録

jbsmkpass -f jbsPass.txt

[パスワード管理]に事前に設定した情報がある場合、jbsmkpassコマンドで上書きされる

5. 移行先でユーザーマッピングを設定

jbsmkumap -f jbsUmap.txt

 

 

②JP1/Base認証サーバのJP1ユーザー関係の定義の移行
1. 移行元で定義を取得
・インストール先\JP1Base\conf\user_acl\JP1_Passwd
・インストール先\JP1Base\conf\user_acl\JP1_UserLevel

2. 取得した定義ファイルを移行先の同ファイルと置換
 

3. 移行先で設定を反映する
サービス起動時に変更が反映される。稼働中に変更を反映したい場合は以下のコマンドを実行。

jbs_spmd_reload

③エージェント定義の移行
1. 移行元でサブミットジョブ実行環境の定義を取得

jpqexport -dt isam -co jpqexp.txt(任意名称でよい)

 

2. 移行元でエージェント管理制御の実行エージェントの定義を取得

ajsagtprint -l > ajsagt.txt(任意名称でよい)

3. 取得したファイルを移行先へコピー
※移行元と移行先で実行ホストが異なる場合は変更が必要

4.  移行先のサブミットジョブ実行環境DBを作成

(「$system」の定義のみの場合は移行不要)
 4-1. JP1/AJS3のサービスを停止する

 4-2. インストール先\JP1AJS2\database\queue\以下のファイルを削除

 4-3. コマンドでDBを作成

jpqimport -dt isam -ci jpqexp.txt

 4-4. JP1/AJS3のサービスを再起動する

5. 移行先でエージェント定義を設定

(「@SYSTEM」の定義のみの場合は移行不要)

set JP1_USERNAME=jp1admin

ajsagtadd -i -f ajsagt.txt

④ジョブユニット定義の移行
1. 移行元で定義を取得

ajsprint -F スケジューラーサービス名  “/*” > ajsunit.txt(任意名称でよい)

例:AJSROOT1以下の全ユニット定義を「E:\tmp\ajsunit.txt」に出力
ajsprint -F AJSROOT1 “/*”  >E:\tmp\ajsunit.txt

2. 移行元でルートジョブグループのカレンダー情報を取得

ajsprint -F スケジューラーサービス名 -d / > rootcal.txt(任意名称でよい)

3. 移行元でルートジョブグループ定義の情報を記録
ルートジョブグループ(デフォルトではAJSROOT1)の以下定義を記録する
・コメント、所有者、JP1資源グループ、基準時刻、基準日、月区分

4. 取得したファイルを編集
移行元と移行先で値が変化する項目について、取得したファイルを編集する。

各項目の定義ファイル上の表現については下記を参照

ジョブネット定義情報の記述方法

http://itdoc.hitachi.co.jp/manuals/3020/30203S1132/AJSP0128.HTM

5. 移行先にジョブネット定義を反映

ajsdefine -F スケジューラーサービス名 ajsunit.txt

6. 移行先にルートジョブグループのカレンダー情報を定義
(取得したカレンダー情報の中身が空の場合は実施不要)

ajscalendar -F スケジューラーサービス名 -c -df rootcal.txt /

7. 記録したルートジョブグループの定義を再設定

8. 必要に応じてジョブネットを実行登録
※ajsefineコマンドで定義した時点では「未登録」状態の為

 

【備忘録】JP1/IMイベント監視の動作テストコマンド

JP1でイベント監視する場合、JP1/Baseの機能を使う事になると思います。

  1. Windowsならイベントログトラップ(ntevent.conf)
  2. JP1イベントを転送(forward)
  3. 指定ファイルのログトラップ(jeblog.conf)
 
監視環境を構築後の動作確認ですが、
狙ったイベントを実際に起こすのが難しい場合も多々ありますので、
下記コマンドでトラップ結果を確認しています。
 

 

1.Windwosイベントログ

Windowsの標準コマンド、EVENTCREATEを使います。

使用例:

EVENTCREATE /ID 999 /L system /SO sys_test /T ERROR /D “イベントログのテストです。”

設定に合わせてイベントIDやイベント種別を組み合わせます。

 

 

2.JP1イベント転送

JP1/Baseで提供されるコマンド、jevsendを使います。
 
使用例:
jevsend -i 0 -m test -e SEVERITY=Error (あるいはCriticalやEmergency)
jevsend -i 302 -m KFPS01212-I -e SEVERITY=Information -d 監視するサーバ -s 監視されるサーバ
 
 

3.ログファイルトラップ

ただのファイル書き込みなので省略

 

 

特にハード障害系のイベントは「試しに発生させてみる」訳にもいかないので、

手元でパッと確認出来る手段があるのは助かりますね。

 

 

 

 

弊社はJP1製品で監視環境を構築しています。

JP1/NNMで死活監視、JP1/PFMでリソース監視、それらをJP1/IMで集中管理。

この環境をリプレースする事になり、環境構築計画を立ててました。

 

構築後のテストフェーズの作業内容、昔やった記憶はあるのですが、

きちんとコマンドを覚えていなくて調べ直す羽目になってしまいました。

 

私自身Hさん案件に関わる事が多く、JP1は触る事の多いミドルウェアでもあり、

これから触る機会が増える状況なので、色々残せたらと思います。

 

という訳で今週は備忘録でした。